孤独と向き合い、見えてきた世界
初めて留学したのは中学一年生の時でその当時は海外に対して恐怖感しかなくとても不安だったのを覚えています。二週間ホストファミリーの家にホームステイすることになったのですが、そこでホストファーザーから何度も暴力を受けました。周りの人に助けを呼ぶことも出来ず、長年その時の状況を完全に思い出すことが出来なかったのですが、瞑想をしたり自分の潜在意識にまで深くアクセスすることで自分の脳が自分を守るためにブロックした記憶まで思い出すことが出来ました。その時は人生に絶望しかけていたのですが、これ以上どうにもすることが出来ない過去の経験で自分を押し殺すのではなく、いつか過去の経験で苦しめられている人を導く仕事がしたいと思うようになりました。
それから高校生になり再度アメリカに留学することになりました。前回のホームステイでの経験があっても英語という他言語を探究し世界中の人と話したいという思いは変わることはありませんでした。留学する前は英語を学ぶことに夢中で、見えることについて意識することが少なくなっていたのですが、留学し授業を受けていると、先生の後ろにブロンドの髪の女性の霊がついているのが見え、「あーやっぱ海外に行けば幽霊も外国人か」と思ったのを覚えています。
ホームステイをしていたのですが、ホストマザーからはいつもいじめられていました。無視から嫌がらせ、腹いせを受け、ムカついた時の怒りの矛先としてターゲットにされていました。食べられるご飯も限られていて、昼休みは家にあったシリアルをこっそり持っていき、恥ずかしかったのでトイレで食べたこともありました。その時は自分の感情の全てを伝えられるだけの英語力がなく、やるせない気持ちを自分の中で消化していたのですが、その時から、幽霊だけではなく個人の感情や起きている状況についても見えることに確証を得る事例が増えていきました。
嫌がらせをしてきたホストマザーに集中すると、幼少期重ね重ねで経験した周りからのいじめによって自分自身に自信がなく、いきなり来た留学生が夫であるホストファーザーと仲良くしているのが許せなくなったというような感情が伝わってきました。
さらに学校の英語の先生はホストファーザーの元妻だったこともあり、自分に対して態度が悪く、授業中はいつもその先生が感じている、元夫であるホストファーザーに対しての恨みの念が伝わってきたので、その授業はいつも苦手でした。
学校で唯一のアジア人留学生だったこともあって幸いにも友達は多くいて学校では楽しく過ごしていたのですが、家でホストマザーから持たされた携帯で友達に連絡しているとホストマザー自身友達がいなかったこともあり携帯を取り上げられてしまいました。その当時国際電話はまだ手軽に出来るものではなかったので日本にいる家族とは基本的にメールのやりとりしか出来ず、留学したいと両親に頼んだのは紛れもない自分だったので帰国するまでホストマザーのことは一切伝えませんでした。ホストマザーからの腹いせは止まることなく続き、ある日キッチンの床に調理器具が落ちているのを見て怒り狂い、「あなたがここに落としたんでしょ。もうあなたの顔なんて見たくもない。部屋にずっといなさい。」と全く身に覚えがないことで叫ばれたこともあり、自分の部屋に閉じこもることが増えていきました。ですがその家には犬が二匹おり、自分が一人でいると二匹とも自分の元からずっと離れずにいてくれて、その時ぐらいから動物の感情も自分の想像ではなく実際に分かるんだと確信を得ていきました。
さらにある日のこと山火事で飼っていた猫を亡くしてしまった友達がおり、その子に試しに猫について見てほしいとお願いされ、携帯に写された写真を見てみると、人間を見る時と同じように映像でその友達に言いたいことを教えてくれました。見えた映像からは、火に囲まれ逃げ場がなくなりとても怖かったという内容や、生きていた時に友達に対してどう思っていたのかという感情が伝わってきました。
その他に見えた内容で不思議だったのは、猫が離婚という概念を分かっていたということでした。猫からは「お父さんとお母さんが喧嘩をするようになった後、お父さんを見なくなった。もう仲良くないんだと悟った。」と言われ、人間の言葉は分からなくても人間の行動や伝わってくる感情を感じ取って大まかな人間関係や家庭内で起きていることは理解しているように感じました。この時から人間も動物も何か共通した根源なるものがあり、目に集中することによって、聞こえたり見えたりすることが多くなっていきました。
その後大学に進学し、卒業後アメリカ・カナダに留学しましたが、年々占い師としての需要が高まってきたので福岡の方で霊視鑑定をすることになりました。
これら過去の経験がなければここまで見えることはなかったですし、人生を様々な視点で見ることは出来なかったと思います。家族も友達もいない環境で自分の潜在意識にアクセスしたり自己分析をしたり、人として生きるとは何か、この世界で何を軸に生きていけばいいのかなど深く考える時間があったからこそ今の自分がいるということは間違いないですし、様々な国の本や海外の精神世界に関しての情報を理解することが出来るのはこれまで培ってきた英語力のおかげです。ここまで応援し好き勝手させてくれた両親に感謝すると共に、過去の経験をこれからも生かして少しでも多くの方を導くことが出来たらと思っています。